2013年10月25日
境内探訪
本覚寺境内探訪
〜句碑〜
東根岳風会より本覚寺境内の二基句碑の案内の依頼があり、当館にも来館する予定と聞き引き受けました。十月七日は秋晴れに恵まれ、最初に寺の由緒を簡単に説明しました。
次に句碑の説明をしました。一つは本堂の南側輪蔵の手前にあります、江戸時代後期の俳人安達一具の句碑です。楯岡楯に生まれ、江戸俳壇の第一人者として活躍した人物です。表面に「まつ人は遅し時雨のかぶら汁 一具老人」と刻まれています。右側面に昭和二十年初夏発願主古瀬長栄とあり、長栄が発願したことがわかります。二つ目は、本堂の東裏側にあります原田吟霞の句碑です。吟霞は本覚寺近くの大庄屋に生まれ、後に有力な檀家になります。一具の俳句の先輩で、一具がこの寺で修行したおり俳句の道を教えたといわれています。表面に「幾はくの木のまの月や花の暮」と刻まれています。このように境内には県指定天然記念物の左右の松の他に文学碑が残されています。
最上徳内記念館 学芸員 鈴木 正人